草冠に名と一文字で書く漢字「茗」の読み方、使い方、意味等を解説!

草冠に名と一文字で書く漢字「茗」

くさかんむりに名と書く漢字「茗」。皆さんは読めるでしょうか。

東京都内に住んでいる人には馴染みがあるかもしれませんが、意味までは知らない人も多いはずです。

本稿で、「茗」の読み方や意味、古典での用例などを見ていきましょう。

「茗」の基本情報

まずは「茗」の基本情報を紹介します。

漢字
部首 艸(くさかんむり)
音読み メイ・ミョウ
訓読み ちゃ

ミョウガの「茗」

「茗」の読み方として最も有名なのは、音読み「ミョウ」です。

ショウガの仲間であるミョウガは「茗荷」と書き、東京都文京区の駅である「茗荷谷駅」としても知られる漢字です。

これが、冒頭で「東京都内の人には馴染みがあるかも」と書いた理由です。

本当の意味は?

ミョウガ=茗荷であることから、「茗」にショウガ・ミョウガのような、香味野菜のイメージを抱くかもしれません。

しかし、「茗」は本来「茶」を意味する漢字であり、

・烹茗(ホウメイ、茶をわかすこと)

・茗園(メイエン、茶畑のこと)

・茗器(メイキ、茶道具のこと)

・茗粥(メイシュク、茶粥のこと)

といった用い方をします。

皆さんには「茗荷」の使い方がなじみ深いかもしれませんが、古典などで登場する「茗」は大抵「茶」の意味であるため、こちらも覚えておきましょう。

詩本草の「茗」

「茗」を茶の意味で用いている例に、江戸時代の漢詩人・柏木如亭(かしわぎじょてい)が書いた『詩本草(しほんぞう)』があります。

旅と食を漢詩とともに綴った随筆で、グルメジャンルで非常に高い評価を得ている古典です。

詩本草には、茗粥へのこだわりが丁寧に述べられています。

多く欲する所を説いて、粥飯(かゆめし)に及ぶこと莫し。是れ欠事(けつじ)に似たり。今、茗粥(めいしゅく・ちゃがゆ)・魚飯(ぎょはん)の二法を附す。茗粥の法、下品(げぼん)の茶を濃煎(のうせん)して茶を撇棄(へいき)し、汁を取りて鐺(そう)に移し、塩少許(ばか)りを下し、米を投じてこれを烹(に)る。熟するを待ちて篩中(しちゅう)に傾け入れ、再び茶汁を以てこれを滌(あら)ふこと四五度、椀(わん)に盛り、上品(じょうぼん)の茶を澆(そそ)いで食らふ。

(食べ物について)色々話してきたが、お粥について書いていなかった。大切なことを忘れていた。

ここで、茗粥(茶粥)と魚飯について書こう。

茗粥を作るには、まず下等の(質が悪い)茶を濃く入れ、茶葉は捨て、それを鍋に移して塩少々と米を入れて煮る。米が炊き上がったらザルに移し、先ほどの濃い茶で4~5回あらう。

その後、米をお椀に盛って、上等の(質が高い)茶を注いで食べる。

詩本草の文章を読めば、「茗」が茶の意味で使われていたことがよくわかると思います。

まとめ

本稿では、「茗」の読みと本来の意味、古典での用例などを解説しました。

詩本草を読めば、「茗」の用例が具体的に分かるだけではなく、如亭の茗粥づくりのこだわりも知ることができます。

如亭の茗粥は、こだわりは強いものの、材料は簡単に揃えることができるため、興味のある人は作ってみてはいかがでしょうか。

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