草冠に鳥と一文字で書く漢字「蔦」の読み方、使い方、意味等を解説!

草冠に鳥と一文字で書く漢字「蔦」

くさかんむりに鳥をつけると「蔦」の漢字になります。

難読漢字の中でも比較的よく知られている漢字であり、それほど珍しい印象はないかもしれません。

しかし、一般的なイメージで「蔦」を解釈するのでは不十分です。

本稿で、「蔦」の読み方や使い方だけではなく、漢詩での用法も学んでいきましょう。

「蔦」の基本情報

蔦の基本情報は以下の通りです。

漢字
部首 艸(くさかんむり)
音読み チョウ
訓読み つた・つたかずら

「つた」で知られる身近な漢字

「蔦」の漢字を見たとき、自然と「つた」の訓読みが出てくる人は多いと思います。

特に本が好きな人であれば、この漢字に馴染みがあるのではないでしょうか。

皆さんもよく知っているレンタルビデオ店・ツタヤは「TSUTAYA」の表記が一般的ですが、TSUTAYAは元々「蔦屋」の名前で創業した書店です。

現在も「蔦屋書店」の店舗がありますから、町中で「蔦」の漢字を眼にする機会がしばしばあるといえます。

「蔦」ってどんなもの?

長く伸びたつる性の植物であれば、なんでも「蔦」と呼ぶ人が多いと思います。

植物学的には、確かに「ツタ」という植物は存在し、つる性植物の総称ではないことがわかります。

しかし、つる性植物を「あれはツタ」「あれは××」「あれは〇〇」などと区別することは難しく、昔の人も現代人と同じように「蔦」と一括りに表現していました。

最古の漢字字典『説文』では、蔦について「寄生する艸(くさ)なり」と書いています。

日光を求めてつるを伸ばし、他の植物や壁などをよじ登り、寄生する植物をまとめて「蔦」と括る見方は、当時からごく一般的だったのです。

平和・繁栄の意味でも使われた蔦

「寄生」という言葉は「parasite」を連想させ、なんとなく嫌なイメージを持つ人も多いことでしょう。

しかし、漢詩などでは蔦を平和や繁栄のイメージに用いているケースが少なくありません。

昔の中国人は、蔦に対して「寄生している」という嫌なイメージで見るばかりではなかったのです。

詩経の頍弁(きべん)という歌の中では、一族の本家を「寄生される木」、分家の人々を「寄生する蔦」に見立て、以下のように歌っています。

蔦と女蘿(じょら)と 松柏に施(し)く

(ツタカズラとヒメカズラが、松と柏に絡まっているように、一族の本家がしっかりとしていれば、親族はそれを頼って仲良く栄えていくことができる)

未だ君子を見ず 憂心(ゆうしん)奕奕(えきえき)たり

(本家の主が一族の皆を宴会に招いた。しかしまだ会えない。主人は礼儀を知る人であるから、多分大丈夫であろうけれども、久しぶりに会うから何かあったのではないかと心配になった)

既に君子を見る 庶幾(こいねがわ)くは説懌(えつえき)せん

(宴会が開かれると主人も顔を出し、会うことができた。皆で楽しくお酒を飲んでいると、何も心配することはなくなってしまった。さあ、皆で楽しく飲もう、今日の一日を満足しあって送ろう)

一族の人々が楽しくお酒を飲み、誰もが幸せで笑い合っている光景が眼に浮かんでくる、素晴らしい歌です。

まとめ

本稿では、蔦について漢詩も引用しながら解説しました。

今回引用したのは詩経の歌ですが、詩経には読んでいるこちらまでニコニコしてしまうような、朗らかな歌がたくさん載っています。

詩経などを通して漢字を学ぶと、漢字学習が全く苦痛ではなくなります。

楽しく学ぶためにも、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

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