木へんに区と一文字で書く漢字「枢」の読み方、使い方、意味等を解説!

木へんに区と一文字で書く漢字「枢」

木へんに区と書いて「枢」という漢字があります。

構成要素は単純ですが、普段あまり眼にすることがなく、読みにくい漢字です。

「枢」は常用漢字でもあるため、誰もが知っておくべき漢字です。

本稿で、「枢」を詳しく学んでいきましょう。

「枢」の基本情報

まず、枢の基本情報を確認しましょう。

漢字
部首 木(きへん)
音読み スウ
訓読み とぼそ・くるる・かなめ

音読み「スウ」から覚えよう

音読み「スウ」は比較的よく知られています。

例えば、

・ローマ教皇の顧問役である「枢機卿(すうききょう)」

・第二次世界大戦において連合国と戦った、日本・ドイツ・イタリアの三国を中心とする勢力「枢軸国(すうじくこく)」

などの用法で眼にする機会があります。

枢の原義と発展

枢機卿や枢軸国といった単語の雰囲気から、「重要な役割」「軸となるもの」などの意味が連想できると思います。

確かに、枢はそのような意味を持つ漢字ですが、その意味を持つに至った経緯を知ると理解が一層深まります。

枢の原義

枢は、旧字体で樞と書き、右側の區は区の旧字体です。

區には、はこがまえ(匚)の中に口が三つ入っています。

古典では三という数字を以て「たくさん」を意味することが多く、區の「口×3」も同様です。

區の中の口は、祈祷文を収める器を意味しています。

區は、その器をたくさん集めている場所であり、中では重要な祈りが行われました。

古代の祈祷、戦争などの国家事業に伴って行われたため、區は秘匿すべき場所でした。

そこへ通じる扉なども、国家の中枢にいる一部の人しか知らなかったはずです。

この重要なる場所「區」に通じる扉の回転軸を「樞(枢)」と呼びました。

意味の発展

つまり、枢そのものは本来「重要な部分」を意味するものではなく、扉の回転軸を指すだけでした。

しかし、回転軸である枢がなければ扉は開閉できないため、枢は重要な場所・區にたどり着くための重要なポイントであるといえます。

ここから、枢は「ある目的を果たすために必要不可欠であり、極めて重要な部分」を意味するようになりました。

ローマ教皇の顧問役である枢機卿も、その存在がなければローマ教会が正常に機能できないほど重要な存在、ということです。

一昔前まで使われていた「枢」

現代でも、枢を「扉の回転軸」の意味で使うことがあります。

この意味で使う場合、枢は訓読みで「くるる」や「とぼそ」と読みます。

ただし、蝶番(ちょうつがい)が使われるようになってからは「枢」を使う機会は激減し、今ではあまり耳にしない単語となっています。

孔子の教え

四書五経のひとつである易経に、枢を用いた教訓が登場します。

易経の一部分である「繋辞伝(けいじでん)」は孔子が書いたものとされていますが、その中に「枢機(すうき)」の形で登場します。

「言行は君子の枢機なり。枢機の発するは、栄辱の主なり」

枢は上記の通り扉の回転軸であり、機は弩(ど、石弓)が矢を発射するための引き金です。

枢と機は、全体から見れば小さな一部分に過ぎませんが、枢がなければ扉は機能せず、機がなければ弩は機能しません。

つまり、孔子が伝えたかったのは、

「言葉や行動というものは、君子にとって枢機のようなものだ。言行が正しくなければ、君子は君子たることができない。

枢機(=言行)を表に出すとき、栄誉や恥辱が起こる。良い言行からは栄誉が得られ、悪い言行は恥辱を招く。枢機は、栄辱という客人を招く主人のようなものだ。」

ということです。

まとめ

本稿では、枢の原義と発展を解説し、経典での用法もお伝えしました。

もともとの意味や成り立ちを知ることで、枢の意味を深く捉えることができ、興味深く感じられることと思います。

また、孔子の言葉を学べば、枢という漢字から大きな教訓が得られます。

皆さんも、一つの漢字を色々な角度から学ぶことを心がけてください。

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