うかんむりに石と一文字で書く漢字「宕」の読み方、使い方、意味等を解説!

うかんむりに石と一文字で書く漢字「宕」

宀(うかんむり)の下に石がつくと「宕」という漢字になります。

読み方も意味もさっぱり分からない、という人がほとんどではないでしょうか。

本稿では、「宕」の読み方や意味、用例などを解説していきます。

「宕」の基本情報

まずは「宕」の読みから学びましょう。

漢字
部首 宀(うかんむり)
音読み トウ
訓読み ひろい・ほしいまま

宀(うかんむり)は屋根

宀(うかんむり)は、元々廟屋(びょうおく、先祖の霊を祭る建物)の屋根を意味するものです。

廟屋には先祖が住むと考えられていたことから、やがて住むための建物全般に宀が使われるようになりました。

石の意味とは?

宀の下の「石」も、やはり廟屋に由来しています。

いにしえの時代、人間は石を神聖視しました。

日本の神社でも石を御神体にしていることがありますし、イギリスのストーンヘンジなどの遺跡をみても石が神聖視されていたことが分かります。

同じように、古代中国でも廟屋に石を置いて祭っていたのです。

意味の発展・飛躍

「宕」は神聖な石を安置し「宀(屋根)」で守っている廟屋のことです。

神聖なものですから、廟屋は奥行があって広い造りになっています。

これにより「宕」は「広い」の意味を持つようになり、さらに飛躍して「自由自在」「ほしいまま」「あちこちさすらう」といった意味に発展しました。

「宕」の用例

「宕」の意味が「廟屋」から「自由自在」「ほしいまま」に飛躍したのは、かなり古い時代のことです。

紀元前1000年頃にはすでに存在していた金文に、

「玁狁(けんいん)を高陶(こうとう)に宕伐(とうばつ)す」

という文章があります。

玁狁(匈奴・北方の遊牧民族)を高陶という土地で自由自在・思う存分に打ち破ったという記録です。

このほかにも、匈奴が中国に攻め入って荒らしまわったことについて、

「長狄(ちょうてき)の弟兄三人、中国に佚宕(いっとう)す」

とあります。

「佚」は気ままにふるまうことであり、「宕」にも同じ意味があるため、「佚宕」といえば思うままに振る舞うことを意味します。

まとめ

現代では、「宕」の漢字を日常的に使うことはほとんどありません。

わずかに「愛宕(あたご)神社」などの名称で見かけるくらいのものです。

それだけに、「宕」の成り立ちや意味の変遷を知り、深く理解すること大切です。

漢詩に「宕」が用いられている例もありますので、興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか。

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