さんずいに山と一文字で書く漢字「汕」の読み方、使い方、意味等を解説! | The Quantum

さんずいに山と一文字で書く漢字「汕」の読み方、使い方、意味等を解説!

さんずいに山と一文字で書く漢字「汕」

さんずいに山と書けば「汕」という漢字になります。

ごく単純な漢字ですが、日常的に使われることがないため、ほとんど知られていない漢字です。

本稿では、マニアックな漢字「汕」について解説します。

「汕」の基本情報

まず、「汕」の基本情報から確認していきましょう。

漢字
部首 水(さんずい)
音読み サン
訓読み

難読漢字の中には、音読みや訓読みを知ることで意味が分かるものも多いです。

しかし「汕」には訓読みがなく、音読み「サン」をみても何のことかわかりません。

会意文字と形声文字

また、「汕」は会意文字ではなく形声文字です。

・会意文字:複数の漢字を組み合わせて一文字とし、組み合わせた漢字の意味を合成するもの

・形声文字:事物の類型を表す漢字と、発音を表す漢字を組み合わせて作るもの

「汕」は形声文字であり、水との関連を意味する「さんずい」と、サンの音を意味する「山」を組み合わせた漢字です。

このため、「水+山」の構成からも「汕」の意味を推し量ることができません。

「汕」は魚が泳ぐ様子

「汕」のような意味をつかみにくい漢字を理解するには、古典、とりわけ漢詩を参考にするのが一番です。

五経の一つである詩経を見てみましょう。

詩経に見る「汕」

詩経の小雅(しょうが)・南有嘉魚(なんゆうかぎょ)は、賢者を宴に招き、お酒を飲み、平和な時代を楽しむ君主の心情を歌った詩です。

「汕」は、以下のように登場します。

南有嘉魚    南に嘉魚(かぎょ)あり、

烝然罩罩    烝然(じょうぜん)として罩罩(とうとう)たり。

君子有酒    君子酒あり、

嘉賓式燕以楽  嘉賓(かひん)式(もっ)て燕(えん)し以て楽しむ。

(南の河にはおいしい魚がいて、たくさん獲れている。豊かで安楽だ。賢者と酒を酌み交わそう。宴を開いて楽しもう。)

南有嘉魚    南に嘉魚(かぎょ)あり

烝然汕汕    烝然(じょうぜん)として汕汕(さんさん)たり。

君子有酒    君子酒あり、

嘉賓式燕以衎  嘉賓(かひん)式(もっ)て燕(えん)し以て衎(たの)しむ。

(南の河にはきれいな魚がたくさんいて、楽しそうに泳いでいる。まことに平和だ。賢者と酒を酌み交わそう。宴を開いて楽しもう。)

この歌にある通り、「汕」は魚が遊泳している様子、つまりバシャバシャと騒がしく泳ぐのではなく、悠々と楽しげに泳いでいる様子を意味する漢字なのです。

まとめ

多くの人に馴染みのない漢字「汕」ですが、詩経の中で学ぶことによってよく理解できたのではないでしょうか。

河ではたくさんの魚が悠々と泳いでおり、都では君主と賢者がお酒を楽しく飲んでいる…

河が豊かなのですから、野山もきっと美しいのでしょう。

悪い政治家を遠ざけ、賢者とのお酒を楽しむほどの君主が治めているのですから、そこに住む人々もきっと楽しく暮らしているのでしょう。

「汕」とは、そのようなイメージをもたらす、風流な漢字です。

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