木へんに楽しいと一文字で書く漢字「檪」の読み方、使い方、意味等を解説!

木へんに楽しいと一文字で書く漢字「檪」

「木」に「楽しい」で「檪」と書きます。

見慣れない漢字だと思う人も多いのではないでしょうか。

しかし、「檪」は皆さんにとって、特に男性にとって馴染みのある木です。

本稿では、「檪」の読み方や意味、有名な故事との関係などを紹介していきます。

「檪」の解説

「檪」の基本情報は、以下の通りです。

漢字
部首 木(きへん)
音読み レキ・ヤク
訓読み くぬぎ

レキ・ヤクの読みはあまり知られていませんが、「くぬぎ」と聞けば誰でも知っています。

特に、カブトムシやクワガタなどを捕まえるには檪を探すのがポイントですから、少年時代に檪を探した男性は多いはずです。

「檪」の意外な意味

実は、「檪」はくぬぎの木そのものを意味するだけではありません。

「檪」の漢字を用いて「役立たず」を意味することもあるのです。

今でこそ、檪は木材として利用されていますが、古代中国では役に立たない木とされていました。

このことから、「役に立たない木」、「無用の人物」などを表現する「檪散(れきさん)」という言葉も生まれました。

「無用の用」と「檪」

「役立たず」という、ちょっと気の毒な意味もある「檪」ですが、この意味がさらに一転して美徳とされた例もあります。

「役に立たないように思われるものが、意外なところで役に立つ」を意味する「無用の用」という言葉は、荘子の人間世篇が出典です。

この有名な言葉は、檪を例にして語られています。

昔、斉の国には有名な檪社(れきしゃ。檪を神木する土地)がありました。

その檪は非常に大きく、幹の太さは百抱えもあり、地上から16、17メートルも離れたところからようやく枝が分かれており、枝だけで舟を造れそうなほどの大木です。

ある大工の棟梁と弟子がその檪の側を通りかかると、檪を見物する人で大変な賑わいです。

弟子たちも、あまりの見事さにしばし見とれるほどでしたが、棟梁は無視して通り過ぎてしまいました。

弟子が棟梁に「なぜあんな立派な木を素通りしたのですか」と聞くと、棟梁は答えました。

「あれは役立たずの木だ。船を作れば重すぎて沈む。棺桶を作れば腐る。道具を作れば壊れる。建築に使えば樹液が流れ出てきて虫がわく。全く使い道がないのだ。」

棟梁の言葉からも、檪が役に立たないとされていたことがわかります。

さて、しばらく経ったある晩、棟梁の夢に檪社の檪が出てきて言いました。

「お前は、私を『人間にとって役に立つ木』と比べているのだろう。しかし、それが私にとっては大いに役立っている。もし私が役に立つ木であったら、ここまで大きくなることはできなかっただろう」

つまり、ある立場から見て「役に立たない」と感じるものであっても、本人にとってはそれが役に立っていたり、別の誰かの役に立っていたりすることもあるから馬鹿にできない、一面的な見方ばかりではいけない、ということです。

まとめ

「檪」の読み方から意外な意味まで紹介してきました。

「檪」から生まれた「無用の用」という有名な言葉は、難読漢字を学ぶ人ならば親しみを覚えるのではないでしょうか。

日常的に使うことはほとんどなく、読み方や意味を知っていてもそれほど役に立たない難読漢字ですが、歴史を学ぶ補助になったり、漢詩を読むときに役立ったり、意外なところで役立つことも多いものです。

「檪」の一字で老荘思想まで学べるのですから、漢字とはまことに奥深いものです。

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