のぎへんに亀と一文字で書く漢字「穐」の読み方、使い方、意味等を解説!

のぎへんに亀(穐)

禾に亀と書いて「穐」と書くこの字、何と読むか分かりますか? 普段使うことのない漢字なので、すぐに答えられない方もいらっしゃるでしょう。 今回はこの珍しい漢字「穐」について解説していきます。

穐の解説

漢字
部首 禾(のぎへん)
音読み シュウ
訓読み あき・とき

穐は秋の字の異体字(読み方や使用方法が一緒で、漢字の一部が異なる字体のこと)で、漢字一文字単体では「①四季の一つ、あき」「②とし、としつき」「③とき、大切なとき」という意味があります。

穐の使用例

穐の使い方は限られています。異体字は正字(正しい漢字)と読み方や使い方が同じであるため、原則的に置き換えることが可能です。しかしながら、異体字には異体字の、正字には正字のイメージが根付いているものを置き換えることは難しい部分があります。 ここでは、穐の限られた使い方とその理由をご紹介します。

熟語

舞台や寄席の最終公演のことを「千秋楽(せんしゅうらく)」と呼びますが、秋の字を置き換えて「千穐楽」と書くこともあります。観劇が趣味の方の中には目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。これには験担ぎが大きく影響しています。大衆演芸が大きく発展した江戸時代は芝居小屋も木造のため火の気はご法度でした。ですから、「秋」の中にある「火」の文字を避けて「穐」の字を好んで使っているのです。また、「穐」のなかにある「亀」が縁起の良い動物であるという理由もあります。

人名

穐は現在人名に使用することができません。見た目にかっこいいですし、響きも「あき」や「シュウ」と人名に人気のあるものが多い上に、一文字から使えそうな字なので登録されることがあれば人気が出そうです。古くには江戸時代の狂歌師・物毎早穐(ものごとはやあき)という人物がいました。

一方で、名字の中には「穐」の字を見つけることができます。現在、日本で「穐」の字が含まれる名字は30以上あります。女優・タレントの穐吉次代さんや、政治家の穐山篤さんなど著名人の名字にも見ることができます。

穐にまつわる豆知識

穐は龝(亀が旧字体)の異体字でもあります。字の成り立ちには諸説ありますが次の2つが主なものです。

①古代において、亀甲占いに用いられる亀が「あき」に捕獲されたことと「禾(穀物)」の収穫時期が「あき」であったことが合わさって、季節の「あき」を表すようになった。

②「禾(穀物)」に付くイナゴなどの虫の形が「龜」で表され、収穫の前に火で炙って虫を追い払うことが儀礼となったことから季節の「あき」を表すようになった。

②のなりたちを見たあとだと、だんだん「亀(龜)」の字が虫に見えてきませんか? こういった、ものの形を文字にしたものを象形文字と言います。

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